20200620 神社,神社,神社

朝は食堂で大量の食事を頂く.旅館の朝食というものは大概に多いものだが,アジの開きに,ハムエッグ,刺身まで付いてくる.


食い過ぎて食後部屋で一休み.

今日は徒歩圏内にある安房神社とその横にある野鳥の森に行くことにした.
神社は宿から歩いて 10 分程度.

参道に竹を立てているので,何をしているのか聞くと,茅の輪を作っているのだという.夏が来たのだなぁ.
鳥居は二つとも工事中であった.


境内には上の宮,下の宮,厳島社,琴平社とあり,広い.
手水舎は COVID-19 のせいで水が流れておらず,代わりにアルコールスプレーが置かれていたのが印象的であった.


拝殿でご祈祷をやっているのが見えた.
奥の方ではお水取りもやっていた.蛇口をひねって出ていた水をタンクに入れ,煮沸して飲むようだ.
主祭神・天太玉命 (あめのふとだまのみこと) は日本における全ての産業の総祖神とされている.

日差しが強く,しばらく歩いていると汗が出てきた.

館山野鳥の森は安房神社のすぐ横にある.森と言っても高低差はそれなりにあり,道も岩で滑りやすくなっているので,僕のような普段運動しない者は山登り気分になる.
二か所の展望台から伊豆の方角を眺め,天気が良ければ見えたらしい富士を思い浮かべた.



下山したところにある「アワカフェ」でスープカレーを頂いた.近隣の野菜を使っているというカレーは,鶏の出汁がスパイスと合っている.途中レモンを入れて,トムヤムクンのようにして食べるのも乙なものである.前菜とカレー,コーヒーで 1200 円.


そして店主の話がホントかウソか分からないけれど面白かった.
以前はバーをやっていて,近くの年寄りから話を聞いたのだという.

曰く,下総や上総の「総」は麻の意味であり,昔房総は麻の栽培が盛んだったんです.関係ありませんが,大麻の検挙数は全国でも多いんですよ.取扱者免許は一番難しいらしいんですけど (これはネットでは,県ごとで難しさの差はないという情報もあった).

安房神社の入り口にある石碑に「官幣大社安房神社」と彫られているのが,前半部分だけ文字が埋められて黒くなっていますが,あれは,神社の格を示す「官幣大社 (最上格)」という語が天皇を神格化することにつながると言って,戦後 GHQ が廃止させたために,セメントで埋められたのです.これが,雨露に晒されるうち,周りが流れて却って目立つようになってしまったのだとか.


あとは下立松原神社と洲崎神社の情報を呉れたので,昼食の後行くことにした.

一旦宿に戻り,車で 10 分程度の下立松原神社 (白浜町) へ行った.房総フラワーラインという道を通ったが,花は見かけなかった.夏にはマリーゴールドがあると千葉県公式サイトには書いてあったのだけど.

入口にある神社由緒では,天富命 (アメノトミノミコト) を始めとする神々が房総に上陸したころ,住民が猪や鹿の被害に苦しんでいたので,神々が狩りを行いその害を除いたという伝説がある.今でも旧暦 11/26 より 10 日間,神狩 (メカリ) 祭が行われているというのが面白い.

せり出す岩の間に作られた階段の参道は荘厳な気持ちにさせてくれる. 


(以下看板より) ただし神事が始まったのは江戸時代 (文化 13 年頃).11/27 から 3 日間,宮司・氏子総代が社務所に籠り,鹿倉山に行く.これを「サバシ参り」という.27 日は「イチノビ (一の御日)」といって縄を綯 (な) う.12/1 は「注連張り」といって「イチノビ」に綯った縄を注連 (しめ縄?) にして,本田の奥から鳥居まで,参道に沿って千鳥掛けに張り,神前に白い強飯などが供えられる.
ミカリ神事の最終日である 12/4 は「夜明かし祭」といい,前日からは神社役員の氏子総代も社務所に集籠し,夜になってから参道に大火を篝火として焚き,御霊が移された神輿が鳥居の先まで渡御し,お旅所の社務所に入る.こうして 12/4 の夜明け前には神輿がお旅所から本殿に戻り,ミカリ神事は終わる.


本殿の社頭の鈴の縄は麻のようであったが,しめ縄はナイロンだろうか.本殿の奥には鏡.
本殿にはクジラのひげらしきものや,真珠貝,船の絵などが飾られ,海との関係を感じさせる.



下立松原神社は白浜町のほかにも同じく南房総市の千倉町にもある.本家がどちらか決着はついていない.

白浜町の下立松原神社から洲崎神社まで,車で 30 分弱.
洲崎神社の主祭神,天比理乃咩命 (あめのひりのめのみこと) は,安房神社の主祭神,天太玉命の后神.カフェの店主は「気の強い婆さんだから戦いの神でもあって…」と言っていたのだけれど,ウラはとれていない.平清盛から安房に逃げてきた源頼朝が再起を祈った,という伝承はあるようだ.
阿波神社と近いのに,両方とも地域で一番の神社 (一の宮).
急な階段では,工事をしていて,トロッコが登っていた.



最後に寄ったのは館山城.里見八犬伝で有名な里見氏の館山藩が取り潰しになるまで城があった場所だけれども,現存する 1982 年に再建された天守閣は,当時のものを模しているわけではない.
内部は博物館になっている.というよりも,城の形をした博物館なのかもしれない.今回は閉館時間を過ぎていたので外観のみ.裏手にある展望台で海を眺めた.館山は海を眺めるのがデフォルトのようだ.


宿に帰り,夕食を頂く.
前菜は湯葉など.刺身はイセエビ,カンパチ,スズキ,マグロ,アジ,イナダ.
鮑のウニ焼き,黒ムツの煮魚.そして陶板焼き.
美味しいのだけれど,多い…!朝食にカレーが拍車をかけ,今日は夕食を残してしまった.無念.


呑んべなので,途中のファミリーマートで買った酒を部屋で晩酌.
千葉は山武市の梅一輪酒造.千葉と言っても九十九里側.
生貯蔵酒は円やかでなかなかうまい.梅一輪は大吟醸も頂いたが,大吟醸というには,吟醸香が足りない気がする.


虫の音の間に響くウシガエルの声を聴きながら明日の計画を立てているうち,夜は更けていった.

にほんブログ村: クリックお願いします!
にほんブログ村 旅行ブログへ

0 件のコメント

Random Posts

3/random/post-list