20210131 六番目の地藏は二つある

【千葉街道 (?)】


本日は先日「正月はやっていないんですよ」と言われて貰い損ねた江戸六地蔵第六番目,永代寺へ御朱印を頂きに行くことにした.一応千葉街道ということになっている.


昼食は富岡八幡宮境内にある「深川宿」.黒いエプロンの小太りの若い男性に迎え入れられた.頭に巻いた空色の手ぬぐいにうっすらと汗を染み込ませながら,注文を取ってくれる.

ぶっかけと炊き込みの二種の深川めし (と彼は言っていた) を食べられる,「辰巳好み」を頼んだ.「深川めし」という名前で頼むと,ぶっかけが出てくるようなので,本来はこちらが深川めしなのだろう.

ぶっかけは白ごはんに濃厚なあさりの味噌汁をかけたような茶漬け.甘めの合わせ味噌に,海苔が香ばしさを添える.

炊き込みご飯はあっさりとしているが,胡麻の歯触りと香りがアクセントとなっている.


持ってきてくれたのは,80 歳ほどだろうか,紫の三角巾を巻いた女性.「こちら (ぶっかけ) はまず,よくおかき混ぜになるとね,美味しく召し上がれるんですよ」おっとりとした話し方に,なんだか勢い込んで食べようとしていた己が恥ずかしくなる.


持ち帰りの客も多い.弁当,あさりの串焼き…….

夜にはあさりの柳川や串焼きも出しているようだ.昼夜ともコースがあるので,いずれゆっくり来てみたい.


深川宿: ★★★★☆ (なかなかうまいのだけれど,店の雰囲気は歴史を感じない)



さて,永代寺.

寺務所と思しき物置のような (失礼!) 小さな建物は窓が閉ざされていたので,本堂に声をかけてみると,ごま塩頭の男性が透明の垂れ幕の向こうから顔を覗かせた.

「御朱印を……」

「はいはい,御朱印ね」

「江戸六地蔵で出来ますか?」

「できます,できます」

「それで,アノ,御朱印帳を忘れてしまって……半紙に書いて頂くことは……?」

男性は少し困った顔をして,奥の方へ何事か声をかけたが,ついと向き直って満面の笑みで「大丈夫ですよ」と言ってくれた.良かった.

永代寺には六地蔵像はないが,頂いた半紙には確かに「江戸六地蔵」と書いてある.千葉街道とは書いていない.

永代寺の前は深川不動尊の参道である.

ベビーカステラやたい焼きの甘い香りに鼻をくすぐられながら行くと,五色に飾られた旧本堂が見えた.

手前にある本堂の壁に梵字が並んでいて圧倒される.ご不動様の真言が書かれているらしい.

混んでいたので本堂は行かず,旧本堂を参拝.もちろん御朱印もゲット.月替わりの御朱印もあったけれど,取り敢えず普通のを頂いた.

六地蔵最後の締めは,上野の浄明院.

永代寺が廃寺となり,地蔵像が廃棄されたのち,六番目を継いだ,ことになっている地藏像のある寺.ただし,六番目地蔵尊としての地位は,確立されたものではない.

確かに,境内の表示には六番目の地蔵として建立されたと書かれているし,御朱印も「六地蔵尊」と書かれている.ただ,肝心の地蔵像は,江戸六地蔵の丸い笠ではなく,蓮の葉のような笠で,なんだかしっくりこない.

地蔵の足元に置かれた縁起では,永代寺の名前を書かずに浄明院が六番目に収まっている.これは賛否両論と書かれてしまうのも分かる.


江戸六地蔵はともかく,浄明院は地蔵の寺と言っても過言ではない.境内の地蔵は八万四千あると言われていて,さすがにそこまではなさそうであるが,立ち並ぶ姿は圧巻である.

小さい六地蔵は浄明院の中にもあり,胸の高さほどの地蔵を 6 つ詣でた.

関係ないけれど,浄明明院の入り口にあった自動販売機.お守りの横の PCR 検査が味わい深い.

帰り道,居酒屋で一杯ひっかけて帰った.取り敢えず六地蔵,コンプリート.

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