20220102 石畳の街道は地上に至る

【箱根宿~三島宿】


朝食もボリューミー.

箱根エレガンス: ★★★☆☆ (寂れている風情はともかく,価格が高い.食事は美味しかった.正月でなければ 1 万円位なので,★3.5 くらいか)


今日は 20 km 歩くつもりなので,朝食後早々に宿を出た.

とはいえ,関東総鎮守で初詣くらいは,と箱根神社に寄る.


かなり大きな神社で,参拝客も多く,境内は長蛇の列.神社の外は車列がすごい.

なんとか参拝を終え,東海道を歩き始める.


ついに箱根峠!

神奈川県から静岡県に,いや,相模国から伊豆国に突入!

(三島が伊豆国だと知らなくて,駿河国だと思っていたけど)


ところが,ここで,通行止め…….

令和元年からって,3 年も前の台風からかぁ.

誰も使ってないのかなぁ.

く,悔しい…….

諦めて国道 1 号線で迂回しようとしたところ,50 代半ばの怪しい風体の男性に声をかけられた.


「アンタ,どこに行くんだい?」

「三島です」

「そうか,三島どうだった?」

「いや,これから行くんです.今日は箱根から来ました」

「そうか.箱根混んでるかい?」

「めちゃくちゃ混んでます.駅伝で」


ここで,男性はとんでもないことを言う.


「駅伝って何だ?」

「えっ,マラソンみたいなやつですよ.日本橋から箱根まで」

「ふーん.高校生とかが走るの?」

「いや,大学生が」

「あーー,そう.三人くらい」

「いやいや,20 くらいの大学対抗でですね……」


折角だから,行ってみるよ,とバイクに向かった男性を見送りながら,訝しむ.

僕,からかわれたのかなぁ.


箱根の峠を過ぎると,あとは概ね下りなので,テンポよく進むことができる.

蛇行する国道 1 号線を串刺すように,石畳の坂道を歩く.

箱根峠は,神奈川側も静岡側も看板が多く,楽しんで歩くことができる.



あー,排水のために,石を斜めに切ったのか,とか,他のエリアでは東海道の両脇には松を植えていたけれど,箱根エリアは杉なのかとか,トリビア的な雑学を得られることが楽しい.


稀に人とすれ違うこともあるが,概ね他に人はおらず,気持ちがいい.


途中で「雲助徳利の墓」という墓を拝んだ.

剣指南役だったのに,酒ばっかり飲むものだからクビになり,やむを得ず雲助 (荷物運びや籠かきをする人足.まれに窃盗などをすることもあった) になったところ,面倒見がいいので周りから慕われたそうだ.

酒を続けて早死にした後は,みんなが悼んで徳利と盃の彫られた墓を作ったという.

エエ話や.僕も酒飲みとして,かくありたい.


昼を回って大分たつので,どこか昼食を,と思ったが,店は軒並み休み.う~ん,下調べが甘かったなぁ.

観光地である城跡の売店とか,国道 1 号線と交わるところにあるドライブインとかくらいやっているかと思ったのだけど.


小腹が空いてきたので,鞄を掻き回し,ナンカ探す.


小田原で買ったあんこサンド,箱根湯本で買ったイワシチップス,箱根エレガンスで買ったビール.

……思うところはあるけれど,取り敢えず,飯だ,飯だ.

道端に腰掛けて,富士山を眺めながら頂く.

計画立てずに適当に生きていくのが向いている奴って,いるんだよね.


更に石畳の山道をひたすら歩き,三島の町へ至る.

箱根峠の標高は約 850 m のところ,一日で約 50 m まで降りてきた.街道というより,山歩きだったな,今回は.

いつもと違うことは,休暇度を高める.

疲れた都会人は,時々自然を感じた方がいいよ,ホント.


三島にも対で現存する一里塚がある.これは復元ではないので,国史跡.

周囲は松並木が整備され,富士山も見えて,峠を超えてきた旅人の安堵する気持ちを味わえる.

宿はドーミーイン三島.小さい露天風呂のある大浴場はあるけど,まぁ,ビジネスホテル.

前,川崎で使ったのとほぼ一緒.


荷物を置いて,「すみの坊本町店」へうなぎを食いに出かけた.

知らなかったのだけれど,三島はうなぎが有名らしい.

富士山の伏流水に二,三日うなぎを晒すことで,臭みが消えるのだという.


実際,うな丼並 (一尾) 4290 円は,脂が乗っていて旨みが強いのに,あっさりしていて,いくらでも食べられそうだった.

こってりしたうなぎの苦手な人におすすめしたい.

うざく 990 円も,淡麗辛口の地酒「富士風香」とよく合う.

すみの坊本町店: ★★★☆☆ (美味しいけれど,値段を考えると妥当な気がする)


三島市観光協会の出しているガイドブックによると,三島では「うなぎは三嶋大明神の使者.捕って食べると罰が当たる」と言い伝えられてきたそうだ.ところが,明治維新の時に薩長の兵隊が鰻を捕まえて食べても罰が当たらなかったことから,三島の人も鰻を食べるようになったという.


宿に帰り,一風呂浴びてから,無料のアイスを貰う.火照った体にパイナップルのシャーベットが染み渡る.


部屋で明日の計画を考えた後,ホテルのサービスのラーメンを食べに行った.

醤油味の淡白な味で,海苔とシナチクとネギが乗っただけのシンプルなものだけれど,夜食にちょうどいい感じ.



さて,明日は沼津宿ないし原宿まで,行けるところまで行く.

平地だし,結構いけるんじゃないかなぁ.



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