20211212 武蔵の小京都
【小川町@埼玉】
朝食には小さいお釜に入ったご飯がでたが,これがめっぽう旨い.小さい茶碗で 4 杯も食べてしまった.
うぅ,食い過ぎた.
だが,うまかったので,悔いなし!
朝の光の中,外廊下を散歩.
仮眠所や足湯,マッサージ,バーと充実している.中庭もなかなか整備されており,雰囲気がいい.日帰り利用も期待が出来る.
午前中はまず,埼玉伝統工芸館というところを目指そうと思う.
宿から歩いて 20 分程度の道は,山に囲まれ,畑や空き地の間に,家庭菜園のある家が並び…….の,のどか…….
自分の中の邪気が浄化し,善い人間になってしまいそうだ.
伝統工芸館では,小川町以外にも,埼玉各地の名産品が飾られている.玉虫色の光沢が特徴の秩父銘仙もある.懐かしい.
小川町は,水が綺麗なので和紙と酒が,土が合っているので鬼瓦が有名なようだ.
あー,だからうちの宿,カワラホテルっていうのか.
小川和紙のうち,楮 (こうぞ) のみを使った和紙は細川紙といい,国の重要無形文化財に指定され,ユネスコの無形文化遺産に登録されている.
紀州の細川村というところから技術が伝わったそうで,丈夫なので大福帳などに重用された模様.
日本各地に小京都と称する町は幾多もあるが,ここ,埼玉県比企郡小川町は「武蔵の小京都」と呼ばれる,文化と歴史の街なのだ.
武蔵国 (埼玉・東京・川崎・横浜) たぁ,広い範囲を代表したものだ.
せっかくなんで工芸館で小川和紙のマグネットを,横にある道の駅で酒と菓子 (香煎ぼう) を購入.
道の駅では小京都が前面に.
近くの西光寺で御朱印をもらったのち,昼飯に向かった.
武州めん本店は,冷やしうどんを豚肉のスープにつけて食べる肉汁うどんが有名.肉汁うどんは,つけめんの一種である武蔵野うどんの一つで,埼玉の家庭でよく食べられていたものらしい.
武州めんの肉汁うどんは,豚肉と油揚げとねぎの出汁が染み出した漬け汁に浸す.
塩加減が絶妙で,そのままでも飲み干してしまいそうだが,うどんで味が薄まるとベストな味になっている.
ぬう,然り!
マッサージ屋で「お客さーん,ここが凝ってるんでしょう?」とツボを揉まれた時のような快感.
うどんはかなり腰がある.不規則な切り方で表面は粗く,スープに入れると,滋味がからみ尽くす.
弾力のある舌触りとコクのある味わいは,口腔に存在感を主張する.味蕾が体表面に露出しそうだ.
並盛で 300g 750 円,中盛 600 g 850 円,大盛 900 g 950 円という値段設定も心憎い.
僕も若ければ中盛位は食べたんだけど.
武州めん本店: ★★★★☆ (家の近くにあったら通ってしまいそう)
食後は昨日見た観光案内所へ.
宿には観光案内的なものは一切置いていなかったので期待しなかったのだけれど,中々どうして,結構な数のパンフレットを入手.
Google マップの観光案内 QR コードもゲット.
小川町には「星夢 (すたむ)」君というゆるキャラもいる.
前行った秩父の小鹿野町も,町おこしにかなり努力していた.埼玉県は何かサポートしてるのかなぁ?
それから麦雑穀工房というブルワリーへ.
2階にバーがあると聞いたのでビールを飲もうと覗いてみたのだが,昼間なのに予約で満席であった.
「プラスチックカップで持ち帰りなら出来ますよ」
と言われたので,看板メニューの「雑穀ヴァイツェン」を頼んだ.
さて,どこで飲もうかな,
街の中心を流れる槻川の川原かな.
川原に向かいつつ,飲み始める.
あぁ,僕,若いご両親が小さい子に「あぁいう大人にはなっちゃダメですよ」って反面教師にされるタイプだなぁ.
川原は散歩や釣りを楽しむ人で賑わっていた.
「たっくん,危ないよ.帰ろうよ」
川に降りようとする 6 歳くらいの少年を,兄だろうか,10 歳くらいの子どもが止めている.
たっくんは「んー」と気のない返事をして,何故だか川から枝を拾って振り回した.
若い釣り人は,しきりに糸を投げている.川の中央に投げてみたり,岸近くに投げてみたり.
ありゃあ,釣れてないな.
空に白い月.
つい,とアオサギが飛んできて,高い木の先端に止まった.
ダラダラとビールを啜りながら,情景を眺めていると,心の底から「平和だなぁ」と思う.
これで満足できれば,僕も大概幸せなんだけど.
川原を離れ,駅前に出た.不動産屋では駅から 7 分程度の 100 平米の土地が 50 万円 (!) で売っていた.
そこにプレハブを建てて,静かな余生を….
んんんん~.どーかなー.
ピピー!シジュウカラが飛んできた.
寒くなってきたし,そろそろ歩くか.
小川町は秩父往還 (熊谷から甲府への道) が通っているので,ちょっとだけ歩いた.
一本入ったあたりに古い建物もあるけど,古都というほどではないかな~.
むしろ,ファッションセンターしまむらと,スーパーのヤオコーの発祥の地だったのが新鮮.
ただ,街の観光案内には両者の発祥の地が描かれているけど,今は何もない.碑すらない.
しまむらさんとヤオコーさんは,もうちょっと協力するべきではあるまいか?小川町がこんなに頑張ってるんだし!
町屋・蔵・長屋なぞ見つけては,うむ,小京都ポイント,1.2 点アップ!などと一人で納得.
そう!搾り取るように!
何もないところで面白がるのが!僕の旅スタイル!
大体町の様子がわかってきたところで宿に帰り,一風呂.日曜の夜だというのに,結構客はいた.
でも,スリッパの置き位置から言って,泊まり客はほとんどいない (今日は僕だけ.昨日は 20 人くらいいた).
まぁ,昨日は土曜の 20:30 くらい,今日は 日曜の 17:00 だしね~.
花和楽の湯は,源泉掛け流しで,一日に数度,湯を入れ替えているらしい.
PH 10.0 にどこまで意味があるのかは分からないが,湯を入れ替えてくれるのは気持ちいい.
湯浴みした後,本日の戦利品,道の駅で買った「おがわの自然酒」を飲み始める.
小川町の無農薬米を使用した,晴雲酒造の純米吟醸で,なかなかウマイ.手漉き和紙に版画のラベルがグッとくる.
柔らかくふくよかで,どんな食べ物にも合うんじゃないかなぁ.刺身とか煮物とか.
香煎ぼうも前澤屋という近くの菓子屋のもので,大麦の素朴な香ばしさが酒に合う.
手酌で部屋飲みの後,夕食会場に.
昨日と同じく今日も御膳なんだけど,内容が全然違った.やるなぁ.
ふぅう~.満足.
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