20200723 絹と川と
朝食はほどいい量.魚の甘露煮は岩魚だろうか.骨までそのまま食える.
午前中はちちぶ銘仙館へ行った.いっとき秩父の人口の 7 割が絹産業に関わっていたというが,絹織物の中でも秩父の特産なのが秩父銘仙 (めいせん) である.
秩父銘仙は経糸をざっくりと横糸で織った状態で染め (ほぐし捺染: なつぞめ), 本番の横糸でおるときには仮の横糸を解いて織るので,解し織りという.
捺染は裏側まで染み通るように染めるので,織り終わってから裏返しても,しっかり模様が見えるのが特徴である.
最終の横糸を経糸の補色にすると,角度によって色の変わる玉虫色の布となる.
折角なので型染をしてみた.型紙に染料をブラシで乗せていく.担当の方に,秩父銘仙らしい柄を聞くと,大きな植物柄というので,カタクリを選んでしまったが,何だか間違った気がする.
昼は長瀞の寶 TERAS という店でわらじカツと豚味噌漬けの丼を食った.名物二品が半分ずつ載っている.観光客目当ての店に見えるが,味は悪くなかった.カツは普通のものより厚さが薄め.
午後は秩父の自然を満喫するため,荒川でラフティングをすることにした.
前日は土砂災害警戒区域となったほどの大雨.昨夜,荒川の雨量を測る玉淀ダムの水量は 700 トン/秒を超えたそうだ (平常時 20 トン位). 僕が着いた時は178トンだったが,ツアーの基準 200 トンを下回ったので,ぎりぎり開催.
普段ならば河原である場所にも濁流が渦巻いている.波は荒れた海のようだ.
ボートは激しく上下し,頭から水をかぶる.
波が大きくなると「掴まって!」というガイドの言葉に従い,パドルの持ち手を船底に付け,反対の手でボート上面のロープを掴み,やり過ごす.
激流にパドルを突っ込み,力一杯漕いでいくうち,何だか大地と対話している気分になった.
宿に帰る道すがら,スーパーで今晩の酒を買った.
夕食は刺身こんにゃく (名物),天ぷら,茶碗蒸し,豚の味噌漬け焼き (名物),茶そばとトマトクリームソース,黒米,漬物.
漬物はしゃくし菜 (名物) と大根.1650 円で二日とも名物を食べつくしたのだから,まったくもって高くない.
しゃくし菜については中居さんが熱く語ってくれた.ここらで一番美味しいのは「石川漬物」で,しかも冬がいいのだという.
「みんなそういうんです.みんなって言ってもあたしの知り合いですけどね」
こういうの,嫌いじゃない.
しゃくし菜はしゃきしゃきした歯触りで,高菜と野沢菜の間のような味.
夕食の酒は秩父錦の特別純米生貯蔵酒と武甲政宗の梅ざけ.生貯は弾けるような香りが,梅ざけはふんわり漂う梅の匂いが心地よい.
風呂上りに秩父麦酒の紅熊.
寝酒のワインはなんとも.源作印のロゼ.秩父ワインが山梨産の甲州種とマスカットベリーA を使って作っているのだけれど,安いとはいえ,なんともはや.
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