20200210 お得な旅とイグルー,そして天文台
朝は例によって食わない.
チェックアウトして,下階の関寛斎博物館へ行く.千葉県は東金で生まれ,佐倉順天堂で学んだ医師.長崎で修練したのち徳島で侍医となってから山梨県立病院の院長を経て徳島で開業.しかし 70 歳になって,北海道の開拓に乗り出す.この時に十勝国斗満に来た.斗満は陸別の一部で,陸別は足寄郡の一部.奮闘したのち 82 歳で自らの命を絶ってしまった経緯は詳らかではない.
売店に寄り,りくべつ低温殺菌牛乳を買おうとしたら,一月に一回しか入らないのだという.「生産者さんが忙しいので」との由.町営なので,牛乳以外の仕事をしている時間の方が長いということか.
ちなみに陸別牛乳はこの店でしか売っていないらしい.
11:00 になったので,「はた食堂」へ行った.ミシュラン北海道にも載った店だ.陸別の小さい町の中からもう一つ,森田屋という食堂も載っているあたり,ミシュランもだいぶ頑張って店を掘り起こしている感はある.
麺は十割,少しもたつくが,不揃いで香りのある田舎蕎麦である.僕は Google で評判の悪いかしわそばを頼んだ.余り皆が文句を言っていると気になるではないか.
蕎麦の上に載っている鶏は,レビューに書かれているように量が少ない.しかし,量よりも肉の質が気になる.パサパサしている癖に硬いのだ.1050 円が高いとは思わないが,この肉だけは文句を言いたい.
汁はやや濃い醤油味で,だしは弱いが鶏肉の旨みが出ていたので悪くない.温かい蕎麦の僕にも蕎麦湯をサービスしてくれたが,ざらっとした舌触りのポタージュのようにどろりとしている.これまでの人生で最大に濃い蕎麦湯ではないだろうか.
12:00 発帯広行きのバスに乗り,陸別を後にした.この時の温度 -6 度.これでは一番寒い町も形なしである.
バスの中は暖かく程いい振動でだいぶ寝た.気づいたら帯広駅だった.
運転手の後ろに何故か天ぷら油処理のコンテナ.
十勝には旅行者が路線バスが乗り放題のチケット「ビジットトカチ」パスがある.1 日チケットが 1500 円で, 2 日チケットが 2500 円.帯広から然別湖まで1680 円なので,明日の分と合わせて少なくとも 860 円得.
更に明日の帯広駅から帯広空港までもカバーされている.これは本来 1000 円.大分満足である.
帯広からバス で 2 時間弱で然別湖へ.本日の宿は「然別湖畔温泉ホテル風水」.
チェックインの時に何故か「バスでいらっしゃった方にキャッシュバックしています」と 1000 円渡された.そんなサービスはウェブサイトで宣伝しておけばいいと思うのだが.
部屋の窓から然別湖の上に並ぶイグルー (雪か氷のブロックのかまくら) が見られる.
「然別湖コタン」と名付けられたこの一群には,イグルーのバーや,氷のグラス作り工房がある.歩を進めると氷上に行くと,氷のロッジや氷のチャペルまである.アイスロッジは泊まることもできて,寒さに耐えられなかった時のためにホテルの部屋もバックアップで確保してくれるというので泊まってみたかったが,満室であった.
飯の後には氷上の風呂に行くつもりである.
「湯船には,一人ずつ静かにお入り下さい.一気にたくさんの人が湯船に入ると,湖にお湯が溢れて,融けてしまいます」などと怖いことが書かれている.
いや,その下の「約束を守れなかった人は,強制労働をしてもらいます」の方が怖いか.
夕食は食堂で,温泉宿らしい食事.
ニジマスの刺身やオショロコマ (イワナの一種) の塩焼きは旨かった.あとは赤魚の餡掛けと豚しゃぶなど.茶碗蒸しは鬆がたっていた.デザートのアイスは濃厚.
部屋で防寒着を着込み,湖上の温泉へ.更衣室はイグルー. 50 cm 程の氷の上に置かれた釜の中には,宿から53.6 度の源泉が引かれ掛け流し.
風呂釜の周りは雪で固められている.ゆっくりと湯に身を沈める.空には満月.湖は白い雪に覆われてほの白く光っている.こんな静かな晩には,何も考えずに温かい湯に身を任せるのもいい.
風呂から上がったあとは,同じくイグルーで作られたバーに行った.ホテルでもらったワンドリンクチケットで,ロゼワインのカクテルをオーダー.併設されたコンサートホールの中に,雪で作られた熊の像があったのが可笑しい.
しばし部屋で寛いでから宿の風呂へ.露天風呂からはくちびる山とコタン,満月が見えた.見晴らしのいい風呂は好きだ.
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉らしい.宿のウェブサイトには鉄分が豊富と書いてあり,実際鉄くさいのだが,成分表には書かないものなのだろうか.
部屋で備え付けられたパンフレットなど目を通す.しんしんと冷える.こんな夜は暖房の音すら大きく聞こえる.
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チェックアウトして,下階の関寛斎博物館へ行く.千葉県は東金で生まれ,佐倉順天堂で学んだ医師.長崎で修練したのち徳島で侍医となってから山梨県立病院の院長を経て徳島で開業.しかし 70 歳になって,北海道の開拓に乗り出す.この時に十勝国斗満に来た.斗満は陸別の一部で,陸別は足寄郡の一部.奮闘したのち 82 歳で自らの命を絶ってしまった経緯は詳らかではない.
売店に寄り,りくべつ低温殺菌牛乳を買おうとしたら,一月に一回しか入らないのだという.「生産者さんが忙しいので」との由.町営なので,牛乳以外の仕事をしている時間の方が長いということか.
ちなみに陸別牛乳はこの店でしか売っていないらしい.
11:00 になったので,「はた食堂」へ行った.ミシュラン北海道にも載った店だ.陸別の小さい町の中からもう一つ,森田屋という食堂も載っているあたり,ミシュランもだいぶ頑張って店を掘り起こしている感はある.
麺は十割,少しもたつくが,不揃いで香りのある田舎蕎麦である.僕は Google で評判の悪いかしわそばを頼んだ.余り皆が文句を言っていると気になるではないか.
蕎麦の上に載っている鶏は,レビューに書かれているように量が少ない.しかし,量よりも肉の質が気になる.パサパサしている癖に硬いのだ.1050 円が高いとは思わないが,この肉だけは文句を言いたい.
汁はやや濃い醤油味で,だしは弱いが鶏肉の旨みが出ていたので悪くない.温かい蕎麦の僕にも蕎麦湯をサービスしてくれたが,ざらっとした舌触りのポタージュのようにどろりとしている.これまでの人生で最大に濃い蕎麦湯ではないだろうか.
12:00 発帯広行きのバスに乗り,陸別を後にした.この時の温度 -6 度.これでは一番寒い町も形なしである.
バスの中は暖かく程いい振動でだいぶ寝た.気づいたら帯広駅だった.
運転手の後ろに何故か天ぷら油処理のコンテナ.
十勝には旅行者が路線バスが乗り放題のチケット「ビジットトカチ」パスがある.1 日チケットが 1500 円で, 2 日チケットが 2500 円.帯広から然別湖まで1680 円なので,明日の分と合わせて少なくとも 860 円得.
更に明日の帯広駅から帯広空港までもカバーされている.これは本来 1000 円.大分満足である.
帯広からバス で 2 時間弱で然別湖へ.本日の宿は「然別湖畔温泉ホテル風水」.
チェックインの時に何故か「バスでいらっしゃった方にキャッシュバックしています」と 1000 円渡された.そんなサービスはウェブサイトで宣伝しておけばいいと思うのだが.
部屋の窓から然別湖の上に並ぶイグルー (雪か氷のブロックのかまくら) が見られる.
「然別湖コタン」と名付けられたこの一群には,イグルーのバーや,氷のグラス作り工房がある.歩を進めると氷上に行くと,氷のロッジや氷のチャペルまである.アイスロッジは泊まることもできて,寒さに耐えられなかった時のためにホテルの部屋もバックアップで確保してくれるというので泊まってみたかったが,満室であった.
飯の後には氷上の風呂に行くつもりである.
「湯船には,一人ずつ静かにお入り下さい.一気にたくさんの人が湯船に入ると,湖にお湯が溢れて,融けてしまいます」などと怖いことが書かれている.
いや,その下の「約束を守れなかった人は,強制労働をしてもらいます」の方が怖いか.
夕食は食堂で,温泉宿らしい食事.
ニジマスの刺身やオショロコマ (イワナの一種) の塩焼きは旨かった.あとは赤魚の餡掛けと豚しゃぶなど.茶碗蒸しは鬆がたっていた.デザートのアイスは濃厚.
部屋で防寒着を着込み,湖上の温泉へ.更衣室はイグルー. 50 cm 程の氷の上に置かれた釜の中には,宿から53.6 度の源泉が引かれ掛け流し.
風呂釜の周りは雪で固められている.ゆっくりと湯に身を沈める.空には満月.湖は白い雪に覆われてほの白く光っている.こんな静かな晩には,何も考えずに温かい湯に身を任せるのもいい.
風呂から上がったあとは,同じくイグルーで作られたバーに行った.ホテルでもらったワンドリンクチケットで,ロゼワインのカクテルをオーダー.併設されたコンサートホールの中に,雪で作られた熊の像があったのが可笑しい.
しばし部屋で寛いでから宿の風呂へ.露天風呂からはくちびる山とコタン,満月が見えた.見晴らしのいい風呂は好きだ.
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉らしい.宿のウェブサイトには鉄分が豊富と書いてあり,実際鉄くさいのだが,成分表には書かないものなのだろうか.
部屋で備え付けられたパンフレットなど目を通す.しんしんと冷える.こんな夜は暖房の音すら大きく聞こえる.
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