20220611 教会の横の露天風呂
朝っぱらからろうそくが灯され、無意味にオシャレ。このホテル、併設するレストランがあったのだけれど、今は閉店してしまったようだ。朝食のレベルを考えると、夕食もなかなかだったと思われ、惜しい。
近くのスーパーで水を買ってから、サメーダン駅へ。
今回、エンガディンのホテルに泊まったので、ホテルで貸してくれるエンガディン・カードを見せれば、エンガディンの中の電車は無料になる。
本日はエンガディンを抜けて、イタリア語圏まで行くので、チケットはエンガディンの端アルプ・グリュームから、ポスキアーヴォ Poschiavo までの往復 19.60 スイスフランを買えばいい。
どうでもいいけど、ポスキアーヴォって名前、イタリア語!って感じでいいよなぁ。
説明されなくても、イタリア語圏なんだろうなって思う。
サメーダンからポントレジーナ Pontresina でティラーノ Tirano 行きに乗り換える。
後は車窓を眺めながらぼんやりするのみ。
この辺りはもう、氷河鉄道ではないのだけれど、向こうの山に氷河が見える。
時々湖もあり、景観を作り出す。
レ・ナイル(ロマンシュ語で黒い湖)のすぐあとに通ったのがラゴ・ビアンゴ(イタリア語で白い湖)。
二つの湖はすぐ並んでいるように見えるが、わずかに間が高くなっており二つの湖の流れを分けていて(分水山脈 watershed)、黒い湖は東の黒海に向かい、白い湖は南の地中海に向かう。そのため、前者はロマンシュ語、後者はイタリア語なのだという。
こういうの習ったら、社会科の授業とか、もうちょっとまじめに勉強したかもなぁ。
鉄道は曲がりくねった道をひた走る。
山々の間に川が流れて谷となり、人が住む。
時に湖が形作られ、生活が営まれている。
山のみでも美しいと思うけれど、そこに住む人々のことを考えるのも好きだ。
アルプ・グリューム駅はホテルにもなっていて、泊まることができる。当初、ここに泊まろうかと考えていたのだけれど、周りに何もないので、手持ち無沙汰になると思いやめた。
もうちょっと歳をとったら、日がな一人で山を見て過ごせるようになるだろうか。
車窓から養蜂箱発見。
最近ヨーロッパでは街中で養蜂が流行っているとか。ここは山の中なので、昔からやっているのだろうけれど。
ポスキアーヴォの町は静かで、金属製のテラスがあったり、重厚な木の扉があったり、少しイタリアの空気を感じる。
チューリッヒと比べると、壁の色が白っぽくて、雨戸が少ない気がする。
素人が適当なこと言わずに、今度建築の本でも買ってみるか……。
駅から少し歩くと、市庁舎がある。歴史のありそうな古い塔で、雰囲気がある。
そこからふらふらと街歩き。
昼時だからか、閉まっている店が多い。
と、電気屋で「Swiss.com」の文字を見つけた。やった。SIM が買えそう。
「あの~~。SIM って売っていますか?」
「ボンジョルノ!シム?」
店主は何か説明しているが、どうも英語が話せないようで、イタリア語である。
「えっと、インターネット。テレフォン」
「ノーワイファイ。スクーズィ(ごめん)」
WiFiじゃなくて、SIM が欲しいんです。
で、10 分くらいかけて、ゼスチャーとグーグル翻訳を頼りに、英語・ドイツ語・イタリア語の単語を駆使したところ、どうも 14:00 以降にパスポートを持ってくれば、20 スイスフラン(約 2700 円)で 10 日分の SIM が買えるということが分かった。
「グラッツィエ!チャオ!(ありがとう。じゃあね)」
更に町をふらふら歩いてから「Hostaria del Borgo」というレストランに入った。
このエリアは小麦があまり採れないので、蕎麦のパスタなどが有名の模様。
前菜の盛り合わせは一人前 15 スイスフラン(約 2000 円)でこの圧巻。
僕が選んだメインは「おばあちゃんのタヤディン Tajadin」19 スイスフラン(約 2600 円)。
タヤディンは、ロンバルド語(北イタリアから南スイスで話されている、イタリア語に近い言語)で tagliolini、または taglierini (薄く平べったいパスタ)のことで、北イタリアのピエモンテ州では Tajarin と呼ばれて生地に卵を入れているそうだ。タヤディンも生地に卵が入っている。また、各言語とも「切ったもの」を意味しているようだ。
ちなみに、ロンバルド語は、南スイスで話されているというので、ロマンシュ語に近いのかと思ったら、言語学的には遠いようだ。
こちらのサイトはドイツ語だけれど「タヤディンは牛乳を入れたり、サイコロ状のじゃがいもを入れたりすることがある。バターとすりおろしたチーズ、揚げた玉ねぎを乗せることが多い」とのこと。
Taiadin al formaggio dell'alpe - Valposchiavo
僕の食べたものは、アルプスのチーズとゴルゴンゾーラが、バターで炒められたホームメイドパスタにからみ、揚げられたセージとニンニクが香りを添える。じゃがいもは入っていなかった。
皿の端に盛られたペステーダ pesteda とやらは、胡椒・塩・ハーブ・ワイン・ニンニクを混ぜた、この地方の調味料のようで、パスタに少し付けると味が深くなる。
Hostaria del Borgo:★★★★☆(肉もこちらの地方でよくあるもので、チーズもローカルなもののようだ。そうでなくても旨いので、満足)
食後、SIM は Salt のものを買えた。通信料は無限!素晴らしい。
10 日分のうち、使わなかった分はまた使えるっぽいけど、いつまで使えるのか聞きそびれた。10 日が過ぎたら、追加で容量を買えるようだ。
そのあと、駅の近くのオーガニック系の店で蕎麦のローカルビールを買った。
帰り道はポンドレジーナまで電車で行ったが、電車の接続が悪かったので、ここからはバスで行くことにした。エンガディンなので、エンガディン・カードで行ける。
バスの中では、疲れていたのか寝てしまった。
サメーダンに着き、ホテルで少し休んだのち、ホテルで貰ったタダ券で温泉に行くことにした。
歩いて一分もかからないところにある、Mineralbad。成分表もある、天然温泉。
https://www.aqua-spa-resorts.ch/en/mineralbad-spa-samedan
中はスーパー銭湯みたいに、様々な風呂がある。風呂、と言っても温水プールに近いものから、露天風呂まで7 種類の風呂があり、色々ある。温泉があることを知らなかったので、水着を持っておらず、近くのスポーツ用品店で買った。
ほとんど人もおらず、非常に良かった。特に露天風呂は、教会の塔がすぐ横で、贅沢な気分になれた。
宿で更に少し休んでから、夕食へ。
本日は「Ristorante 1865」。
土地のものはほとんどないと言うので、特にローカルではないが、前菜はズッキーニのスープを頼んだ。これが青臭くて、クルトンが油っこくて、どうにも頂けなかった。頑張って食べたが、クルトンは残してしまった。ごめん。
メインは蕎麦のパスタ。蕎麦ということは、ちょっと地方ぽいかなとテンションが上がる。
しかし……。じゃがいもと菜っ葉は美味しいのだけれど、パスタが、殻が入っているようで、ザリザリしていて、どうにもこうにも。とりあえず、よく噛んで食べた。
Ristorante 1865:★★★☆☆(まぁ、でも、ギリギリ土地のものだったし……)
0 件のコメント