20220614 チューリッヒの街を彷徨する
遅めに起きて、ブランチ。
昨日の残りのにんじんサラダと、ガスパチョ(野菜スープ)、エメンタールチーズとスナック。
パンは干からびてしまうので、クラッカー系のスナックとチーズは、よく食べます。
さて、今日は街をぶらぶらするか。
チューリッヒの中心地は、建物のテイストや高さが揃っていて、きれいに見える。外れはそうでもないんだけどね。
ハンバーガーセット 23.90 フラン(約 3300 円)。チェーン店じゃないから、仕方ないかもしれないけど、やっぱり物価は高い。ていうか、日本が安すぎるんだろうな。
画面右端の殿堂キックスターターに関しては、以前記事にしているので、参考にされたい。
https://houtoumusuko.blogspot.com/2019/12/20191202.html
チューリッヒの街の景観に、トラムは欠かせない。街中の交通事情もそのうち書こうかな。
向こうから保育園の子供たち。おそろいの帽子をかぶっているのは、日本と似ている(写真の解像度が低いのはわざとです)。
一歩入った住宅街はこんな感じ。やっぱり家の感じは似ていて、低いビルがつながっている。通りも概ね太いので(大体駐車場兼ねてるしね)、薄暗がりは少ない。
コープの小さいバージョン、Coop Pronto コープ・プロント。
コンビニくらいのサイズで、新鮮な食材を扱っているのがウリらしい。野菜とかパンとかも結構品ぞろえがある。
ミグロのコンパクトな店がミグロリーノ Migrolino。基本的には食べ物しか置いていない。
キオスク Kiosk はもっと小さくて、生鮮食品はほとんど扱っていないが、中央駅のキオスクは 24:00 までやっているなど、遅くまでやっているお店があるので、便利。これらのコンパクトな店は、スーパーマーケットサイズの店と値段が一緒~高め。
そうこうするうち、駅通り(バーンホフシュトラッセ Bahnhofstrasse)の Coop City へ。デパート並みの大きさと、スーパー並みの手軽な品ぞろえが魅力で、最上階にレストランもあるので、僕はチューリッヒに来ると、毎回寄ってしまう。
Coop to go はテイクアウトの食事の店で、Coop City の一階にも入っている。
駅通りはブランド店などが並ぶ、チューリッヒで一番華やかな通りで、僕はひそかに「チューリッヒ銀座」と呼んでいる。
駅から南に延びるチューリッヒ銀座と、東側を流れるリマト川の間の一帯と、リマト川の東側の一帯が、旧市街(アルトシュタット Altstadt)で、雰囲気のある通りがいくつもある。あ、そういえば、旧市街のあたりは、細い暗がりの道が結構あるな。よく手入れされているけど。
ぶらぶらした後は、市庁舎のたもとの端で、リマト川を渡る。
この辺りはちょっと観光地っぽいけれど、十分雰囲気を楽しめると思う。
Seilergraben 通りのあたりで旧市街は終了。
更にリマト川東岸をだらだら歩くと、グロスミュンスターに出た。12 世紀にできたこの双塔の大聖堂は、向かい側のフラミュンスターと共にチューリッヒを代表する建物であり、チューリッヒ湖から見た二つの教会の写真は、いたるところで見かける。
フラウミュンスター。ジャコメッティやシャガールのステンドグラスが有名なこの教会は、9世紀に建てられた女子修道院が前身。
駅通りのあたりを歩いていたら、なんかすごい薬局見つけた。Victoria Apotheke というこの店は、品ぞろえは普通なんだけど、建物がごつい。1880 年創業時は、駅通りの反対側にあったらしい。
その横のビルの通路に、カウベルがやたらぶら下がっていた。あれ、何だったんだろう。
さて、買いたいものがあったので、イェルモリ Jelmoli デパートに行ってみた。Coop City と違って、いかにもな高級デパート。
「ショッピングバッグはどこで売っていますか?」
「ショッピングバッグ、でございますか」
「はい。小さくたためて丈夫な、旅先で荷物が増えた時に便利な奴」
「一階にカバン売り場がございますが、ショッピングバッグ、がございますか、わかりかねます」
何だか僕は、店員を困らせたようだ。
もちろんカバン売り場には、ブランド物のカバンが並んでいるだけで、ポケットに入るショッピングバッグはなかった。あれ、便利なんだけどなぁ。
その代わりに、なんだかよくわからないウサギの置物はあった。
代わりにならない気もするけど。
あとはグローブス Globus グローブスというデパートがイェルモリと人気を二分している。この二つに加えて、コープ・シティも、それぞれ歩いて 3 分程度の距離にあるので、気に入ったものがなければ、別の店舗に行くのもいい。
ちょっと疲れたので、僕の心の憩いの場、コープシティーの最上階のレストランへ行った。
が、ペットボトルの生姜ジュース 500 mL 3.95 スイスフラン(約 540 円)。ぜ、全然憩わない……。コープよ、いつからお前はそんなにつれなくなったのだ?
いや、待てよ。地下の食料品売り場なら、もっと安く売っているのではないか?
はたして、1.40 スイスフラン(約 190 円)で同じものが!しかも 750 mL が 1.55 スイスフラン!(約 210 円)。
……いつか、飲みたいものを、飲みたいときに飲める身分になりたいものだ。
夕食は旧市街の Oepfelchammer という店に。
座るといきなり本を渡されたので何事かと思ったら、この店の常連だった Gottfried Keller の本で、その間にメニューが挟まれているのだ。こういうの考えつく人、本当に尊敬する。
で、頼んだメニューはアスパラガスのサラダ 17 スイスフラン(約 2300 円)と、Zuri-Gschnatzlets チューリ・クシュナッツレッツ 46 スイスフラン(約 6300 円)。
チューリ・クシュナッツレッツはチューリッヒの料理で、刻んだ仔牛の肉をマッシュルームとクリーム煮にして、ロシュティ Rosti(細切りにしたじゃがいものパンケーキ)に乗せたもの。
「キドニー(腎臓)はどうされますか?」
「え、じゃぁ、なしで」
ウェイターが一瞬止まったのち「かしこまりました」と帳面につけた。
あ、そうだ、クシュナッツレッツは、キドニーを入れるのがオリジナルレシピだった。
「スミマセン、やっぱり、キドニー、入れてください」
ウェイターは満足そうに微笑み「かしこまりました」と言った。
食前酒は Zuri-Mule。土地のジン・レモンジュース・ジンジャービールのカクテル。
これが、ジンの香りが生きつつ、さわやかな飲みごたえで、大変うまい。浮いているのはジュニパーベリー(ジンの香りの元)か?
サラダは、生か、わずかに火を通したグリーンアスパラとホワイトアスパラに、玉ねぎとセミドライトマトを混ぜて、イチゴのドレッシングを混ぜたもので、アスパラの甘さとイチゴの甘さのマリアージュ。
トマトの酸味とドレッシングのビネガーの酸味のマリアージュ。
ジューンブライドか、というほどの饗宴が皿の上で繰り広げられている。
それをしっとりとまとめ上げているオリーブオイルは、さしずめ神父というところだろう。それなりに量はあったのだけれど、永遠に食べていたいと思うほどの味であった。
期待が膨らむ中でクシュナッツレッツが運ばれてくる。クリーミーな良い香りが漂ってくる。
ロシュティは横に添えられてくることが多いのだけれど、この皿では下に敷かれている。キドニーを少し切り、マッシュルームとロシュティと共に口に運ぶ。
旨い!キドニーはプリプリと弾力があり、臭みはないのにじんわりと味がする。肉もしっかりとした風味で、マッシュルームー、キドニー、肉が、それぞれの歯触りとうまみをささやくハーモニー。
ソースは十分クリーミーだけれど、それとは別に、生クリームをかけていて、乳製品が好きな僕としては、万々歳。
しかし……。しばらく食べていて、気づいてしまった。
このロシュティ、塩っぱくないか?
最初はクリームでごまかされていたけれど、終盤、これはいかがなものかと思われてきた。美味しいだけに、勿体ない。
「いかがでしたか?」
「大変美味しいです。ロシュティの塩分が控えめなら、パーフェクトでした」
「……シェフに伝えておきます」
まぁ、でも、総合としては大変いい店だと思う。今度は別のメニューを試してみたい。
Oepfelchammer:★★★★☆(4.5 寄りの 4 つ星。次に行ったときは塩分控えめでって言ってみようかな。ロシュティ以外は完ぺきな塩加減だったので、今回がたまたまなのか、判断に迷う)
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