20200921 釣られたものと釣られなかったものと

【東海道: 浜松宿】
ホテルの朝食はコロナウイルスの関係で,ブッフェではなく弁当だった. 
ご飯がひつまぶしなのは気が利いている. 
だけど量が多くて食いすぎたものだから,少し休んでいるうちに寝てしまった. 

起きだして浜松の街をうろついてから,昼食へ.

鰻と並び浜名湖といえば有名なのは服部中村養鼈 (ようべつ) 場のスッポン(鼈).
昼食をとった「富久竹」で,話を伺った.


服部は日本で初めて養殖を始めた養殖場であり,生産量も全国でトップ (最近は養殖場が増えたので,同じくらいの生産量のところもあるかもしれないが,業界ではそう言われている). 京都の老舗にも卸していて,露地飼育という冬眠をさせる手法で味の濃い肉を作り出しているのだとか.

僕は一番安いコースを頼んだ (安いと言っても 6000 円).  

まずは生き血.飲む前に匂いを嗅いでみたところ,やはり血のそれで,怯みそうになる.ただ,レモンティーで割ってあるので,味は飲みやすい.
すっぽんは養鼈場では餌を食べるが,店の地下の水槽に来ると餌をやらず,泥吐きをさせるので臭みが少ないのだという.砂の中で動かないので,餌をやらなくても生きていけるそうだ.


次いで手足の唐揚げ.少しスパイシーな味.肉はしっかりとしていて,硬い鳥の胸肉のような部分と腱のような部分がある.油が少し古かったのは残念.


そして塩味の鍋.えんぺら (甲羅の周りのコラーゲン豊富な部位) と身,椎茸,人参,三つ葉.身は地鶏のように味が深い.対照的にえんぺらはもちもちした歯触りであるが,味はあっさりしている .


ところが鍋のすっぽんの首に,釣り針が刺さっていた.首は女将が一番おいしいと言っていた部位.養殖のすっぽんになぜ釣り針が紛れ込んだか分からないが,いずれにしても飲み込まなくて良かった.


雑炊はそれなりに美味しく,梨とマスカットも口直しにはちょうどいい.


ただ,店の人から釣り針についてちゃんとした謝罪はなく,代金も普通に払わされたので,釈然としない.「74 年の歴史で初めてのことです」「万が一飲み込んでいたら,うちは養鼈場を訴えるところでした!」と言っていたが,何だかピントがずれている気がする.

おすすめ度: ★★★☆☆
(時々東京で食べるすっぽんと比べると味が劣る.期待値が高すぎたのかもしれない.私怨を含むと★★☆☆☆だが名物なので…) 

食後は車で 3 時間かけて知多半島の突端,師崎 (もろざき) 港へ向かった.車は駐車場に預けてフェリーに.
篠島まで 10 分,そこから本日の宿「とくがね」がある日間賀 (ひまか) 島まで 5 分.


日間賀島はタコとフグが有名な小さい島である.

着くとすぐ宿の夕食の時間となり,まずは利酒. 
ほしいずみ: 一年に一回のみ入る.辛口生酒. 
九平次: 大高 (名古屋市緑区) の酒.多くをフランスに卸してしまうので愛知では名古屋と岡崎と東浦の 3 箇所の酒屋しか手に入らない. 
義侠: 倉本は愛西市.
僕は香りの高いほしいずみが気に入った.

料理は旅宿の例によって量多し. 刺身はカンパチ,タイ,ヒラメ,コチ,甘海老.エビ以外はこちらの漁港で水揚げした新鮮なもので,コリコリとした歯触りと鮮やかな旨味が嬉しい. ほか,ワタリガニの蒸し物,大アサリの焼き物,エビ・イカ・鱧のフライ,タコの炊き込みご飯,煮ダコ,鯛の煮魚,白ご飯と味噌汁,水菓子. どれもうまかった.





食後部屋で寛ぐ.隣の音は子どものはしゃぎ声も,いびきも筒抜け.
飯がうまかったので,寛大な気分.眠くなるまで本など読み,夜が更けていく.


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