20220508 アンタナナリボの街並み

【アンタナナリボ@マダガスカル】

ホテルにて朝食。ラインナップは変わらず。

このホテルはレストランから庭が見えるので気持ちがいい。メニューが変わらないのは残念であるが、フルーツなども豊富で、悪くない。ソーセージはイマイチだったかな。


そのあと、明日の取引先との会議に向けてミーティング。

ランチはマダガスカル人の友人ジャン=マルクと出かけた。

ダウンタウンでタクシーを降りると、ジャン=マルクが何事か怒っている。


「どうしたの?」

「乗るときは 10000 アリアリだって言ってたのに、20000 アリアリ請求するんだよ。俺のこと、あんたのガイドだって思っているんだ。アンタナナリボはいつもこんな感じだ」


何かゴメン……。僕が旅行者価格で払うことはある程度許容できるけれど、住民は不愉快だろうなぁ。


最初、L'Orion という、華僑がオーナーのレストラン(マダガスカル料理も食べられる)に行こうとしていたのだけれど、閉まっていたので、近くにある Sakamanga レストランに行った。

これが非常に良かった。


何が良かったかと言うと、店内のいたるところにマダガスカル文化に関する展示があるのだ。絵や写真は言わずもがな、歴代の王と女王のミニチュアから、楽器、武器など、色々なものが飾ってある。昨日首相宮で見た燭台もあった。



「あれは何?」

「アロアロ Aloalo だね。北アメリカのトーテムポールみたいなものだよ。あの一本を見ると、その人にどのようなことが起こったか分かる。どんな両親から生まれて、どんな仕事をして、子供は何人いて……」

ちなみにこの写真は立体的であるが、ひらべったいタイプのものもある。


「そもそも、マダガスカルには、13-14 世紀に、韓国やフィリピンから人が来ていてね……。インドネシアやマレーシアから来たのは 18 世紀。さらにスリランカや北インドからも人が入っている」


ジャン=マルクは若いころは経済学をやっていて、アメリカやフランスで働いたこともあるが、今は基本的に退職している。マイペースに通訳をしたり、趣味のボランティアをしたり、日々に追われている僕としては羨ましい限りである。

彼は好奇心旺盛で、色々なことを知っていて、話していて面白い。


マダガスカル人とは何か、という話は、諸説あるが、いずれにしても、肌の色が薄かったり、髪がストレートだったり、現在マダガスカル人と言われている人々の顔は、アフリカ大陸の人よりも、アジア寄りに見える。

「見てごらん、この二番目の王さまなんて、日本人に見えないかい?」

うーん、日本人には見えないけど、アジアっぽい気はするなぁ。


「首相宮は木で出来ていて、インドの形式を踏襲しているんだよ。それから、この楽器はインドネシアの文化を引いている」


昨日も見た竹の周囲に弦が張られたヴァリハ Valiha と、斜め笛(縦笛と横笛の間みたいの)のソディナ Sodina など、興味は尽きない。うまく写真が撮れていなかったので、代わりに Youtube を貼っておく。


ヴァリハ

https://youtu.be/Rbngp5o-ZtQ

ソディナ

https://youtu.be/X5YbGkWYiew


「うわ、すごい、何これ!」「これはどうやって使うの?」質問攻めの僕に、丁寧に答えてくれるジャン=マルク。いい奴だなぁ。


食卓に着くまでの寄り道が長かったけれど、ついにテーブルに。


「あ、どうも、どうも」

「いえいえ、どうも」


横の席に委託企業の人がいたので、ちょっと冷静になった。


注文したのは、Bambara 豆を添えたティラピア。Bambara 豆は豆としては大きく、ほろ苦いので、僕はむしろ、むかごを髣髴した。Voanjobory と呼ばれている豆と同じ模様。

「ちなみに、君ら、地酒とかあんの?」

「トカガシ Toaka gasy ってのがあるよ。蒸留酒だけれど。果物やスパイスを入れることもあるね。儀式で使うんだよ。割礼とか、結婚式とか、葬儀とか。これは、ワインとかウイスキーじゃダメなんだ。トカガシじゃなきゃいけない」

「へぇ、面白いね。日本でも、お屠蘇って言って、新年に飲む酒があるけど、あれはワインとか焼酎じゃあ、だめだねぇ」

トカガシは通常、サトウキビで作るけれど、ジャン=マルクによれば、伝統的には米だったらしい。

ティラピアは淡泊だったけれど、ソースと絡めると美味しく頂ける。マダガスカル料理は全般的に味が薄い印象。だからサカイ(辛いソース)が珍重するのかなぁ。


Sakamanga レストラン:★★★★★(料理もそれなりに美味しいんだけど、展示品の豊富さに興奮。「展示品を盗むのは犯罪です」って、掲示してあったレベル。マダガスカルに詳しくない人は、ぜひ来るべき。解説してくれる人がいると、より楽しめると思われる)


「せっかくだから、もうちょっと街を歩いてみようよ!」


僕の提案に、ジャン=マルクは快く乗ってくれて、市庁舎のあたりからしばらくダウンタウンを散策。結構人は多かったんだけど「平日になると、もっと人出はすごいよ」とのこと。

街の中心には駅があり、そこからアンドゥ・ポンダンス通りというメインストリートがのびているのだが、今はアンタナナリボ駅は貨物専用で、観光用以外では客車が着くことはない。

駅の近くにはチャイナタウンがあり、道端で中国製品が色々売られている。


「あれはなに?あの、切り株みたいなヤツ?」

「コバ Koba.ピーナッツのペーストとはちみつを混ぜて、米の粉でくるんでから、バナナの葉で包んでオーブンで焼いたものだよ」

これは食べるべきだったなぁ。大きいから食べられないかなぁって思ったんだよね。


その後、Analakely マーケットに行った。メインストリートを南東に向かった所にある。一見、ごちゃっとした、どこにでもありそうなマーケットなのだけれど、古い建物が残っているのだ。写真の三角屋根がそれ。

(ちなみに通訳のルヴァは、このエリアのことをアナラキーというのであって、マーケット自体はパビリオンマーケットと呼ぶ、と言っていた)

中に入るとこんな感じ。平日だと、これらの店も開いているらしい。何となく韓国ぽい気がするのは僕だけだろうか。


市場には、ほうずきのような甘酸っぱいフルーツ、ヴォアナチンドラ Voanantsindrana (フランス語だと pok pok。伝統医療に使うこともあるらしい)やら、虫やら、色々売っていて楽しい。



帰り道、トカガシの話から、お盆の話になった。


「マダガスカルでは、冬にご先祖さんが返ってくるんだね。日本でも同じ様な習慣があるよ。お盆って言うんだけど」

「僕らのお盆は、食事をしたり、儀式をしたりする。お金や食べ物に困らないよう、繁栄を願う習慣があるね。サンクスギビングデーと一緒になっているかな。地下聖堂(クリプト)の中に、先祖の遺体があるんだけど、それを新しい布でくるむんだ」

「え?遺体?骨とかじゃなくて」

「いや、遺体」

「全部のご先祖様を布でくるんだら大変だね?」

「全部つつむ訳じゃない。親しかった人たちだけだよ」


遺体がミイラのようになっているんだろうか。さすがに棺を布でくるむのだとは思うけれど、だとしたら、結構な面積を取るよなぁ。うーん、想像がつかない。


夕食は食欲がなかったので(単に食いすぎ)、ホテルのレストランで La Composee(コンビネーション)サラダのみ。

アンタナナリボのストリートフードと書いてあったので「どこがタナ(アンタナナリボの略称)なんだ。シーザーサラダと何が違うんだ」としつこく聞いたら、ウェイターは、面倒くさい気持ちを表に出さず「レタスはあまり入っていなくて、彩り豊かなサラダなのです」と控えめに言った。

確かに、ビーツ、ジャガイモ、ニンジン、二十日大根に、パスタも入っていて、なかなか食べでのあるサラダではあった。

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