20220517 アンタナナリボの街に陽が落ちる

【アンタナナリボ@マダガスカル】

朝はいつもの。ハムを足してみた。

ホテルの廊下から見えるコジャ・シア・イスナアッシュリー・モスクも、もう見納めかと思うと名残惜しい。

リーダーの K さんに、今日の仕事には僕は必要ないと言われたので、黙々とデスクワーク。気付いたら昼も食べ忘れていた。


夕方になって、少し街を歩くことにした。

通訳のルヴァを呼び出し、案内をしてもらった。観光地は一通り見たので、街を見たいと言ってみた。


まずは駅のあたりからスタート。

この辺りは lower area と言われていて、庶民の街。アンタナナリボは周りを山に囲まれているのだけれど、その辺りが upper area と言われる金持ちのための高級住宅地。その間が middle area。


「この国では金持ちってどれぐらいをいうの?」

「うーん」

「車持ってる人?」

「あーー、それくらいかなーー」


アンタナナリボとフィアナランツァは町の構造が似ているため、ツインシティーと呼ばれているらしい。


「アンチラベも似ているんじゃない?フレンチコロニアルの駅と、そこから伸びる大通りと」

「いや、フィアナランツァはもっと似ているんだ。例えば、駅の南の方にある、アノジー湖は両方の都市にある」


アノジー湖は、王国時代に作られた人口の貯水湖である。中央の島には、第一次世界大戦の時の兵士を記念する天使像が建てられている。1896 から1958 年は植民地化されていたので、マダガスカル兵は宗主国フランスのもと戦った。

彼らは何を考え、何のために戦ったのだろうか。

アノジー湖の南東には、大きなサッカースタジアムがある。

2020 年に中国の支援で建てられたといい、壁に大きく選手の写真がプリントされた布が張られている、近代的なデザイン。あれ、選手が入れ替わったら、張り替えるのかな。

元々、講演などをするホールがあったそうで、今でも大統領の演説に使うこともあるという。

アノジー湖の南西のあたりは官庁街である。あれは○○省、これは○○省、と説明をされたが、イマイチよく分からない。

文化省のところで、大きい博物館があるのか聞いてみたけれど、こないだ行った首相宮くらいだという。博物館を作るには経済力が求められるのだろう。

省庁外の近くに市場があるのが親しみやすい。


政治が不安定だった時に、燃やされたというテレビ局は、現在再建中。

「テレビ局がどっちかの政党寄りだったということ?」

「いや、そういうことじゃないんだ。経済が不安定になると、そういうことが起こる」

ビルに横方向に刺された木材は、建築の際の足掛かりのため。外側に足組みを築きづらい途上国ではよく見かける風景である。

道端には人が多い。

「あれはバスを待っているの?」

「そう。一般の人の主な交通手段はバスだね」

「いくらぐらい?」

「距離によるけど、大体 500 アリアリ(16 円)かな」

1958 年に共和国として認められたマダガスカルは、1960 年 6 月 26 日に正式に独立宣言をする。

毎年その日の前夜はアノジー湖に花火が上げられてお祭りとなり、市民はランタンを持って出かけてくるそうだ。

それから、女王宮のある山の方に登り、車を停めて辺りを散策した。


昔の裁判所を通ったとき、神明裁判について聞いた。争う二人がいると、タンギン(毒性のある植物)の抽出液を飲ませて、生き残った方が勝訴するという。


「日本には死人に口なしっていう諺があってね……」


ガリニ高校は、アフリカで一番大きい高校の一つ。ガリニはフランス人の名前から来たものなので、最近名前を変えた、と言っていたけれど、新しい名前は忘れた。

坂道の途中に突然あるアンドハロ大聖堂は、正統ゴシック建築。

入っていくと、街を見下ろす位置に巨大なマリア像がある。

陽はだいぶ傾き、光は赤みを帯びてきている。

向こうの山は輝くように色付いている。

夕食は La Varangue。トリップアドバイザー(旅行案内系のウェブサイト)のレストランの中で第一位!

アンティークカーの並ぶオッシャレ~~な店内に平服で入るのは気が引けたが、他の客も結構カジュアルな服だったのでまぁ、いいだろう。

頼んだのはこぶ牛のステーキ。しっかりした肉の味が噛み締めるほどに染み出してくる。うまし。骨と脂で、食べられるのは真ん中だけだけど。

食事とビールと南アのワインで、約 90000 アリアリ。これまでの食事と比べると高い!と思ったが、約 2900 円。日本と比べると、明らかにリーズナブル。雰囲気などを考えると、ここぞというときに使える店と思われる。

マダガスカルで美味しいフレンチを食べる、という選択肢は確かにあるんだよね(ジブチもそうだった)。一方で、当地の人にとって一般的な食事をしたいという気持ちもあり。

正解はない。

La Varangue:★★★★☆(美味しいし、雰囲気も良い。正統派フレンチぽいので、マダガスカル料理が出てこないのは理解できるが、マラガシーワインくらい置いておいて欲しい)

<世界の秘境+楽天ウィジェット>

にほんブログ村: クリックお願いします!
にほんブログ村 旅行ブログ 世界の秘境へ

0 件のコメント

Random Posts

3/random/post-list