20220514 島のけものは飛び跳ねる
朝はホテルでヴァラミナナナ(お粥)と果物、ヨーグルト。
午前中はレミュー(キツネザル)パークへ向かったが、道が結構混んでいる。Googleで一時間程度のはずだったが、一時間では半分も来ていない。
Lemur と書いて、現地の人はリムーと発音しているように聞こえるけれど、ネットやガイドブックではレミューと書いてあることが多いので、以下、レミューで統一。
みな忙しいのだろう、行き交うバスもほぼ満車である。
マダガスカルのバスは、バス停で乗り、バスの表面に書いてある行き先で、どれに乗ればいいのか判断する。旅行者にはやや高度。
そもそも、表示のないバス停も結構ある。道端にやたら人が並んでいたら、多分バス停じゃないかと思うけれど、住民に聞かないと判断するのは難しい。
街を出た後半は比較的スムーズだったので、結局トータル一時間半ほどでパークに着いた。
パークは有名な割に、入り口は小さく、見落としそうなほどだった。
入場料はガイド料込みで一人 60000 アリアリ(約 1900 円)。結構高い。
土産物屋を兼ねたエントランスで入場料を払い、ガイドとともに中に入ると、いきなり白いレミューがお出迎えをしてくれた(ベローシファカだと思ったのだけれど、ガイドはコキュレールシファカと言っていた)。横で見張っている人がいたので、ここにいるよう決められている模様。
体長 80 cm ほどのレミューは、得体のしれない目つきと丸い体にふかふかした体毛、長いしっぽが印象的であった。存在感があるというか……まぁ、かわいい……のかな?
動物園みたいのものをイメージしていたが、山道みたいなところを歩き、植物や時々いるレミューの説明を受ける感じ。このパークには 7 種のレミューがいるらしい。
アロエは腹痛の際、樹液を蜂蜜と混ぜて飲むのだと言っていた。
バオバブもあるが、一年で 1 cm ほどしか育たないので、ここのものはまだ 1m 程度。
小さなバオバブのような形をしている、パキポジウムも見せてくれた。通称ミニバオバブとも言われている。アフリカ原産の植物で、マダガスカルでは南部や西部で見られる。
「これは水を貯えるから、柔らかいんだ。ほら」
促されて触ると、ぐにゃっと柔らかい。木というよりは多肉植物を髣髴するが、塊根植物という分類らしい。
この 6m ほどもある大きい植物はタラビナーラ。Traveler's tree ともいわれ、旅人が水を取ることもできた。繊維が丈夫なので、傘や家を作るのに使われる。
シナモモンカンフォーラは、咳・熱・上気道炎に効くらしい。葉っぱはいい香りがするが、シナモンというより、ユーカリのような刺激のある香りがする。
これはブラックレミュー。オスは黒いけれど、メスは茶色。マジュンガなどの北部に生息。80% は野菜を食べ、残りは葉っぱを食べる。辺りには「べべ」「ゲゲ」という鳴き声が響いていた。
竹を指して「これはヴァリハ」というので、「あれ、竹で作った楽器で、ヴァリハってのもあるよね?」と聞くと「そう。材料の竹も、できた楽器も、両方ヴァリハっていう」とのこと
と、白いレミューが飛び跳ねるように道を横切った。ガイドはカラウントシファカというのだ、と説明した。ちなみに、シファカというのは、マダガスカル西部に分布するレミューの一種で、踊るように歩くので、ダンシングレミューともいうそうだ。ダンシングレミューは 9 種いるとのこと。
次に現れたのは、パンダのような色合いの、ブラックアンドホワイトラフドレミュー black-and-white ruffed lemur。東部の熱帯雨林におり、主に果物を食べる。唯一、巣を作る種で、メスが子どもを作るときに、高いところに巣を作る。
ここで、入口にいた、白いコキュレールシファカが飛び跳ねるように登場。
主に北西部に分布し、8 割は葉っぱ、残りはフルーツを食べる。水は飲まない。一夫一妻制で、生涯一つの番いしか持たないうえ、一度に出来る子供は一匹、かつ 6-7 月しか生まないため、絶滅危惧種になっているとか。
レミューは大体、 3-5 匹で 1 グループとなり、子供を作れるようになると、親の群れから離れていくという。
縄張り争いは激しく、一方が死ぬまで続けるため、パークでは彼らが活動する日中の間はずっと監視している。
これはサイザル麻。南部の植物で、繊維が丈夫なので、歯ブラシを作る。
カメもいたけど割愛。
ここで、コモン・ブラウン・レミュー登場。しっぽが縞々で、一番よく見かけるタイプの南部出身のレミュー。マダガスカルではマキと呼ばれ、親しまれている。ちなみに彼らは普段、機嫌がいいとしっぽを立てているが、怒るとしっぽを下げて振るらしい。
ブラックアンドホワイトレミューが再び。木の上でだれていて、妙に親近感が湧く。いやもう、ホント、地球が終わるまで寝ていたいって思うこと、あるよね。
チョッチョッチョッという鳴き声が、オスとメスが、お互いを呼ぶ鳴き声。
グワッグワッというのは威嚇。
これからの人生で、二度と役に立たないであろう知識を身に付けつつ、パークを楽しんだ。
ゆっくり回って一時間程度。60000 アリアリはちと高い気もするが、固有種を保つという重要な使命があるので、頑張って頂きたい。客もあんまりいなかったし。
帰り道、ぼうっと外を眺める。池で洗濯をする人々。サッカーをする子供。窓越しの物売り。
昼は Sunny Garden ホテルでこぶ牛のラヴィトト Ravitoto(刻んだキャッサバの葉の煮込み)。キャッサバの葉の少し苦くて青臭い味が、こぶ牛のうま味にアクセントを加える。同僚が豚のラヴィトトを頼んだのだけれど、脂ばかりでてこづった模様。
Sunny Garden ホテルレストラン:★★★★☆(少しクラシックな感じではあるが、雰囲気も悪くないし、マラガシーもあり、ちゃんと美味しいと思う)
食後は通訳のルヴァと落ち合い、Sunny garden のすぐ近くの Codal の工場直売店でサカイ(辛いペースト)購入。
赤が三種(普通の、タマリンド、はちみつ)、緑が三種(普通の、生姜、マンゴー)。
友人の指令により、トータル 10 瓶ゲット。
ちなみに、このあといくつかの店で Codal のサカイは見かけたけれど、この工場直売店が一番安い。バニラスティックも購入。バニラは、バニラといえばマダガスカル、というくらい有名。
チョコは有名店の Robert で一口サイズのチョコ 400 アリアリをまとめ買い。知らなかったけど、マダガスカルはカカオも有名らしい。
しかるのち「リジー・アート・ギャラリー」という定番の土産物屋へ。石やラフィア、食べ物など、品揃えも良く、質もいいので、迷ったらここで買い揃えてしまってもいいかも。価格もそんなに高くない。
リジーで色々買ってから、Pochard Handcraft Market も行ってみた。これは昔ながらのマーケットで、先ほどリジーで見たような工芸品が、たくさんの店で売られている。食べ物はない。
さっき買っていなければ、何か買ったかもしれないけど、結局何も買わなかった。
でも、僕、市場の雑多な雰囲気、好きなんだよね。
マーケットに売っていた模型は、ツィエツという弦楽器らしい。胴体のひょうたんが印象的。
闘牛の置物もある。闘牛のことはサービカといい、牛対牛の場合も、牛対人の場合もある。フィアナランツァの文化。
「あれ?最初の女王、ラナヴァルナ1世が闘牛好きなんじゃなかったっけ?(Wikipedia 情報)彼女はメリナ(アンタナナリボ周辺)の人じゃないの?」と僕。
「ラナヴェルナ 1世は、フィアナランツァのあたりまで統治していたんだよ」とルヴァ。
あと、スーパーで菓子など買って、解散。
サカイ以外の戦利品。あとは別の友人に頼まれた、ランチョンマット。
お土産ミッションはやや面倒くさいが、達成感がある。そもそも買えなかったら「ゴメン」で済むしね!
遊んでばかりでも疲れるのは不思議。どうしてお腹が減るのかな、けんかをすると減るのかな、てやつかな。
そう、時間がたつと、疲れるのです。トシだから。
というわけで、夕食は ibis ホテルのルームサービス、野菜カレー 24000 アリアリ。
汁物というより、カレー炒めみたいな感じで、旨かったですよ。
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