20220410 長い川の始まりはごく静かに
【カンパラ~ジンジャ@ウガンダ】
朝は 4:30 起きで、5:30 出発。一緒に行く同僚が夕方に用事があると言うので、早めの時間で設定した。むろん朝食はなし。
今日はこちらのツアーでマビラフォレストに行くのだ。
同僚と二人で参加し、一人 190 ドル。他社と比べると、安い方。
そもそも昨日、何社も連絡をして、返事が戻ってきたのが、この rwanda eco campany のみだったのだ。旅行会社の選定で、対応が早いのは重要事項。
1 Day Mabira Forest Tour | Visit Mabira Forest in Uganda (rwandaecocompany.com)
車に乗ったら、うとうとしてきた。行きの飛行機でもらったビスケットの残りをかじり、シートベルトに寄り掛かる。
暗かった空は次第に明るくなっていく。
一時間半ほどで森へ。貧しそうな村の中に、突然入り口があった。
ドライバーは車を停めると、事務所へ向かった。僕と同僚は、車の中でしばらく待ったが、戻ってくる気配がないので、外に出てみた。
空気は涼しく、森の入り口はさわやかである。
がさがさ、と音がするので、見上げた。
猿だ!
30 m はあろうかという木の上には、小さい黒い猿が何匹も、あちらへこちらへ飛び回っている。
ほどなくして、森のガイドが来た。デオ、と名乗った彼は、温和で物静かな男だった。
僕がサルを眺めているのを見ると「この森には三種類のサルがいる」と言った。名前も教えてもらったが、忘れてしまった。
デオは後をついてくるよう、僕らを促し、森の中を進んだ。
傍らの植物を指しては「これはフォレストファイバーだ。ここらの人は、これでマットやかごを編む」とか、「この木はアリストニアという。最も強い木で、腐らないから船を作るのに使う」とか、説明してくれる。
ドラセナはフォーチュンツリーとも呼ばれ、セネガルでは祈祷に使う。ウガンダでは、土地の境界を示すのに使う。
ファイカスナ・タレンシスはバッククロスと呼ばれ、皮を乾かして革のようにして、鞄などを作る。写真は土産物屋のバッククロスの鞄。
パパモルバレは、インドから来た木。すぐ育つので、急いで森を作りたいときに使える。ただ、枯れるのも早い。
フェイカス・ムクスは戦いの魂が宿っているので、戦う時に祈りをささげる木。
マカランガ・スパイノサは自衛のための木。祈ると、理不尽に襲われたりすることがなくなる。
【伝統医療系の情報】
・プルナス・アフリカーナ priunus africana:皮を乾かして粉にして、茶にする。風邪・咳・前立腺がんに効く。前立腺がんの診断自体は、病院で医者がする。ウガンダでは、公立病院での治療は一般的に無料であるが、がんの治療は手術も抗がん剤も有料で、高価。
「無料であったとしても入院が長くなり、生活に困難をきたすので、僕なら伝統医療を選ぶよ」
・フェイカス・オバタ ficus ovata:不妊症の時に、この木の前で鶏やヤギを焼いて供える。食べることもあるし、そのまま置いておくこともある。
・アレストニア・ボネ alstonia boonii:解熱や堕胎に用いる。
・ワルブスギア・ウガンデンシス warbusgia ugandensis:腹痛、咳、外傷に用いる。ウガンダの固有植物.
さて、森を後にして、しばらく車で走り、ボート乗り場に来た。ナイルの源流と呼ばれる場所に行くのだ。
ガンジーの像が置いてあるのは、彼の遺言により、ここで遺骨が撒かれたからだそうだ。
ここでドライバーが言う。
「お前たちはボートに乗りたいか?乗るなら別料金だ」
ええ~?
今回のツアーは、マビラフォレストとナイルの源流に行くというものだけど、そういえばボート代が含まれているとは書いてなかったなあ。
ドライバーが連れてきたボートガイドは、説明を始めた。15 分くらいのショートトリップ、20 分くらいのミドルトリップ、40 分くらいのロングトリップがあるが、源流に行くのはロングトリップだけだと言う。
結局、木製ボートのロングトリップ、250000シリング(約 8900 円)/隻にした。手持ちのシリングはほぼ終了。
ちなみに、白ナイルの水は、ヴィクトリア湖の水が 70%、源流が 30%。ヴィクトリア湖の水はルワンダのカゲラ川とケニアのゾヤ川から来ている、とガイドは言った(Wikipedia の説明は異なるので、興味のある方はそちらもどうぞ:ナイル川 - Wikipedia)
あれ?じゃあ、ナイルの源流はカゲラ川とゾヤ川なんじゃ……?
僕の疑問をよそに、ボートは静かに源流に着いた。
ヴィクトリア湖から白ナイルが始まる辺りに、確かに底から水が噴き出しているようだ。向こうに見える小屋は土産物屋。資本主義ってやつぁ……。
滔々と湧き出す水を見ていると、笹舟を流したい欲望が出てくる。南スーダン、スーダンを通り、エジプトまでたどり着く姿を想像したら、愉快ではないか。
ガイドは鳥の名前など教えてくれるが、イマイチ脳に染み渡らない。だって、この先一生耳にしない固有名詞だと思うからさぁ。
とまれ、水上を渡る涼しい風に吹かれながら、心地よい揺れに身を任せるのは悪くない。ヴィクトリア湖には、漁をする船も。
ボートから降りたところで、子供や大人がダンスをしている。何だか楽しそう。
ランチは Afro smile hotel の近くの "House of snacks" というレストランでブッフェ。
マトケ(甘くないバナナの餅)はペースト状にしたバナナを、葉っぱでくるんで蒸して作るようだ。同僚によると、結構手間がかかって、三時間ぐらいかかるらしい。
「マトケを少しくれますか?」
少しもっちりした、美味しいものを作りそうな女性は、手元の皿でマトケの塊から一部をそぎ落とし、僕の皿に載せた。
「はいよ!」
マトケ、ポショ(とうもろこしの餅)と牛のスープ。緑の野菜がドド、茎が赤いのがブガ。
牛のスープを指して「この料理の名前は何て言うんですか?」と聞くと、「ビーフ」と返事が返ってくる。
「いや、素材じゃなくて、料理の……」
「スープ?」
他のところでもこのやりとりは繰り返したので、本当に特別な名前がないのかもしれない。
さて、カンパラに帰るか。思ったより早く着きそうだ。
と思ったところで、同僚が、ルーゴーゴでアイス食べましょう、と誘ってきた。暑いので悪くない。
二時間ほどかけてカンパラに戻り、ルーゴーゴへ。
大量販売店 Game の横にあるベーカリー Yammy でピーチアイスを頼んだ。果肉も入っていて、火照った体が冷やされる。
同僚は以前ウガンダで働いていたので、Yammy を知っていたが、ドライバーに「美味しいアイスない?」と聞いても同じ店を挙げたので、人気なのだろう。
一旦ホテルで仕事をしてから夕食へ。
ホテルのバーで教えてもらった「Baguma NP」レストランで、一緒に働いてる他社の人とウガンダワインを飲むつもりだったが、改装中なのか、閉店していた。残念。
その会社の人はウガンダに数年住んでいたので、カンパラ事情に詳しい。
「Wandegeya でポーク・ジョイントを食べましょう」
ポークジョイントというのは、豚の屠殺所の横で、ローストしたり、揚げたりした豚料理のことだ。
ウガンダでは、いろいろな肉を食べるが、豚肉は特別で、他の肉とは別に扱われているらしい。
Wandegeya は、何というか、地元民が憩う、どローカルのきったねえ店。店の横にはさばいた豚が吊るされている。
店に入ると、土間みたいなところで肉を焼いている。
普通の肉、骨つき肉、ソーセージを頼んだ。一串 4000-10000 シリング。骨つき肉 10000 シリングはぼられたのかもしれない。普通の肉も、焼いてる人で値段が違い、4000-6000 シリング。
瓶からビールを飲みながら待つこと 15 分ほど。肉が来た。
カチュンバ(トマトと玉ねぎのサラダ)、茹でキャッサバ、アボカド、生の玉ねぎとトマト、青菜添え。
これらを手で食う。焼いたばかりの肉は、やけどしそうに熱い。昔、インドを旅しているときに教わった。「食事は指でも味わえるのです」
表面が香ばしくカリッと焼けた豚肉は、かむと肉汁の味が芳醇に広がる。脂は控えめであるが、確実に肉の甘さを引き立てる。ソーセージは腸詰ではなくて、細長い肉団子のようだが、もちろんつなぎなど入っていないので、肉のうまさをダイレクトに感じる。骨付き肉は少し脂が多めで、口の中がこってりとする。そこへ生の玉ねぎをシャクリ、キャッサバをポクポク。
……うまい!めちゃくちゃ、うまい!
ビール 5 本で 30000 シリング。肉 7 本と野菜で一人 70000 シリング。3人で計 10 万シリング(約 3500 円)。安い!それでも、一緒に行った人によると、やや割高だったとのこと。
「うーん、食べる前に値段交渉するべきでしたねぇ」
Wandegeya:★★★★★(こきたねーローカルな店がお好きな方にはオススメ。綺麗なレストランが好きな人を連れて行くと、ドン引きされるかも)
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