20220423 モハメドおじさんのジブチ市観光

【ジブチ市@ジブチ】

朝食はグリーンピースの煮物、チキンナゲット、炒り卵、オムレツ。


食後、ホテルフロントで Front Office Manager のモハメドに、周辺で観光できるところを聞いてみた。なお、彼のことはアッサル湖のモハメド少年と混ざるので、モハメドおじさんと呼んでおこう。


「ジブチをもっと知りたいんだけど、どこ行ったらいいですか?」

「ちょっと待ってて」


おじさんは奥に行き、一枚の紙を持ってきて、ペンでお勧めの場所を書き出した。


「えーと、市内観光ね。こんな感じでどう?」


10 ヶ所書き、回る順番まで考えてくれた。他の人たちは、なかなかおすすめの場所が出てこなかったのに、あっという間だった。生粋のジブチっ子なんだろう。


「まずね、ここはホテルからすぐだから、最初に行くといい。一分くらいで行けるよ。で、こっちに行って……。これも一分くらいかなぁ。で……」


みんなで紙を覗き込みながら、こっちを先にした方がいいとか、ここは時間がかかるね、とか、いいながら、予定表を作成。

モハメドおじさんが、運転手のアナハラに紙を見せながら説明をしてくれて、さぁ、出発。


【モハメドおじさんのジブチ市観光コース】(時間は前の行き先からの時間)


◆1. Place Menelik◆ ホテルから 1 分

エチオピア皇帝メネリク 2 世 Menelik II が来たことを記念した広場らしいけれど、何かがある訳ではない。

以前デモがあったせいか、端の方に交番があるので写真撮影禁止(ジブチでは、警察がいるところではどこでも撮影禁止)。

メネリク 2 世は、19 世紀の終わりに、ジブチ市からエチオピアのハラールまで、ジブチ・エチオピア鉄道を建設した皇帝である。

ジブチ・エチオピア鉄道は、後にフランスとエチオピアの合弁会社に権利を売ってから、エチオピアの首都、アディスアベバまで延伸している。


◆2. アル・ハムジ・モスク Mosque Al Hamoudi◆ 1 分


1906 年に建てられた、町で最も古いモスクの一つで、町の象徴ともなっている。

灯台のような塔が印象的。


◆3. 港: 新港、旧港、漁港◆ 10 分



新港は、海の中を走るヴェニス通りの北端にあり、便利な場所なのでこれまでも前を何回も通った。貨物船から荷を下ろすタワークレーンが立ち並んでいて、ちょっと眺めがいい。

旧港は少し奥まったところにあるけれど、ヴェニス通りのせいで船のアクセスは制限される。

漁港 Port de Peche は昨日行った、ムシャ島への船が出ているところで、新旧ジブチ港より南の方に位置している。

各港とも、許可されていない車は中に入ることは出来ない。


◆4. ケンピンスキーホテル Kempinski Hotel◆ 5 分


ドイツの高級ホテルチェーン。ジブチで最もラグジュアリーと言われているだけあって、金の匂いしかしな……いや、どこもかしこも上等な雰囲気に包まれている。

一番お安いお部屋で 6 万円くらい。

ここも入り口近くは撮影禁止。




土産物屋で、何気なくふっつーの絵ハガキの値段を聞いたら、700 円だったので、怖くてそれ以外の商品の値段は聞けなかった。


◆5. 旧ジブチ駅◆ 5 分


先だって行った、Cafe dela gare の近く。工事中で、一部しか見られなかった。

上記のメネリク 2 世の鉄道によって、エチオピアは流通が格段に向上し、ジブチはその流通を支えることで国力を高めた。

エチオピアからエリトリアが独立することによって、完全に内陸国となったエチオピアは、貿易の 95% 以上をこの鉄道に頼っているそうだ。


◆6. ドラーレ・ビーチ Doraleh Beach◆ 15 分


ドラーレ港のあたりらしいけれど、入れず。



周囲には、ヤギやら、ラクダやら。


◆7. 自衛隊基地 Japan Camp◆ 20 分

中に入れるわけではないので、前を通っただけ。モハメドおじさんの奥さんが、基地の図書館で働いているらしい。


◆8. ドゥーダ・ビーチ Plage de Douda◆ 10 分


頼れる同僚 N さんが「宿泊施設もあるそうですけど……あれですかね……」と指差したのは、小屋という表現がしっくりくる建物。


一応屋根にソーラーパネルが乗っているので、電気は使えそうである。。

レストランもあったが、ラマダン中なので、日中はクローズ。

入場料が一人 500 フランかかるので、それなりに何かあると思うのだけれど、つい、聞きそびれてしまった。入場料を払う時に、色々聞いておけばよかった。

小屋の横にはマングローブが立ち並んでいる。


よく見ると、砂浜にも幼いマングローブ達が。なんだか、頑張れよ、と応援したくなる。

遠浅の海に入ると、熱い。昨日のアッサル湖は、ぬるい足湯程度だったが、こちらは普通の足湯。40 度くらいはあるのではないだろうか。


昨日の N さんに倣い、海水を舐めてみる。全然しょっぱく感じない。

さすが、太古の昔に浮かんでいただけあって、心地いいくらいの塩分である。


「うへぇ」


海から上がって砂浜を歩いていると、めちゃくちゃ熱い。

仕方ないので、サンダルが砂だらけになるのを諦めて、履いた。

モハメドおじさんはシャワーがある、と言っていたのだけれど、どこだか分からなかった。

手持ちの水で砂を洗い流し、車に乗った。

ビーチ周辺に動物園があるのだけれど、現在はクローズしている。

動物園と言っても、荒れ地を柵で囲っただけのような簡素なもので、言われなければ気づかなかった。

今でも動物たちはいるので、一応餌は貰っているのだろう。というか、そうであって欲しい。

また、ゴルフ場もあるのだけれど、芝が敷かれているわけではなく、自然を生かしたワイルドな造り。

他国とは違ったプレーが楽しめるかもしれない。

ここらへんにラクダ牧場もある。


◆9.新ジブチ駅 Gare de Nagad◆ 15 分


ジブチ・エチオピア鉄道に並行し、アフリカ初の電化鉄道として、中国がアディスアベバ・ジブチ鉄道の建設を始めたのは 2014 年。

この新駅は、その時に郊外に建てられたもので、旧駅とは結構遠い。


◆10. ハラモス Haramous◆ 15 分



各国大使館が建ち並ぶ、ジブチのビバリーヒルズ。

Google マップでは、Village Haramous と検索してほしい(さもないと、近くのハラモス島が出てくる)。

写真禁止エリア多し。

来てみて気づいたが、我々の愛用、カジノスーパーのある辺り。

どおりで品ぞろえがいいと思った。

昼食はハラモスのイタリアンレストラン Pizzaiolo で。

水 1.5 L 600 フランを眺めながら「お前、カジノで 100 フランだよな……」と出自を確かめる。ずいぶん出世しちゃって。


エチオピアの Walia ビール 1150 フランは、さっぱりしているのにコクがあって、休日のランチ気分を盛り上げる。






ハラモスサラダ 3200 フラン、ハラモスピザ(中)3400 フラン、海の幸のピザ(中)3000 フラン。

三人でちょうどの量くらい。

Pizzaiolo:★★★★☆(美味しいけど高いから 3.5 点寄りかなぁ。でも、ラマダン中の昼間に、ビール飲みながらランチできるのは貴重)

宿に帰り、ちょっとリラックスしている間に、寝てしまった。


アディスアベバ空港で知り合った、ジブチ在住 30 年のレバノン人、アファフに昨日連絡を取り、本日の夕食は旦那さんのジョージと、ケンピンスキーホテルのシーフードレストラン Bankouale で食べることになっていた。

昼間とはまた違った、豪華な雰囲気の漂う中、オープンテラスのレストランに行く。

ジョージによると「夏場は暑すぎてオープンしていないんだよ」とのこと。

視界には海が広がり、いい雰囲気である。

向こうの方ではペタンク(金属のボールを転がすフランスのスポーツ)をやっていて、あぁ、フランス領だったんだなぁ、と思う。

こないだ食べたイエメン風焼き魚、マクバザが、思ったほどおいしくなかったので、リベンジ。5000 フラン。

アファフは「チャパティとかバナナとかは付かないの?」と聞いていたが、どうも付かないらしい。添え物がなくても、マクバザはマクバザのようだ。

小さめの魚が二尾やってきたが、身はやっぱり、余りジューシーではなく、皮の処理はしていない。


突き出しで出てきた薄いナン(これはオープンキッチンで作っているのが見えた)につけていたトマトソース、チリソース、クリームチーズソースを、マクバザにも付ける。

マクバザがわかってきた気がする。

エチオピアビール、サン・ジョルジュと、白ワインを飲み、会話を楽しむ。

シリアがレバノンに侵攻したために首都ベイルートを発ち、国を離れた話から、釣りの話、娘さんのアートの話など、僕らはとりとめもなく話をした。

「僕らは小さいボートを持っているんだ。もし機会があれば、島で一日のんびりしようよ」

アファフもジョージも聡明で思慮深く、静かな語り口は、ぬるい潮風に吹かれながら聞くのにふさわしい。


最後、気づいたらジョージが会計を済ましてくれたので「いくらですか?」と聞いたら、「いいよ。君は僕らのゲストだから」という。

僕から誘ったのに、と言ったけれど、「大丈夫、大丈夫」との返事に、これ以上繰り返すのも野暮だと思って「では、日本に遊びに来た時は、僕が払いますよ」と言った。

「ぜひ遊びに行くよ」

ジョージは穏やかな目で答えた。

「絶対ですよ」

念を押しながら、お互いに、その日が来ることは信じていなかった。

旅路の出会いとは、概してそういうものである。


でも、二度と会わないとしても、そこに僕らは、いた。

そして、だから一瞬一瞬に相手の存在を感じ、尊重する。

人生という長い旅路の中で、僕は時にかくありたい。


Bankouale:★★★★☆(食事の味と言うより、雰囲気代。長期滞在で疲れちゃって、洗練された空気を味わいたい時にいいかもしれない)


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