20220416 エチオピアの朝はコーヒーと共に
【アディスアベバ@エチオピア~ジブチ】
空港のアナウンスと子供の泣き声で目が覚めた。三時間は眠れたので、起き上がる。体がバキバキ鳴った。プラスチックのベンチで寝たのは久し振りだ。
ちなみにこの話をしたら、友人らは「いいなぁ」、ウガンダ事務所の次長は「長旅羨ましいです」との反応。
みんな旅が好きなんだなぁ。
あんまり寝てても生活リズムが崩れるので、もそもそと起き出し、カバンの底で潰れていたサンドイッチとチーズを食った。
空港内をふらふら歩いていると、エチオピア・コーヒー発見。
土器のような壺にコーヒー豆と水を入れて煮出す、クラシックスタイル。40 ブル(約 100 円)。
「砂糖入れる?」と聞かれたので、「普通はどうするの?」と尋ねたら「入れない」と言うので、ブラックで頂いた。
コーヒーというよりはエスプレッソに近い、かなり濃厚な味。コーヒーが豆であることを感じさせる。
伸びをしながら店内を眺めていたら、エチオピアビール、セント・ジョージが目に入った。
コクのあるラガー。炭酸がきつくてうまい。
241 ブル(約 600 円)。
ちなみにこのビール、お店の人は「シンジョル」と呼んでいた。フランス語読み「サン・ジョルジュ」の省略形だろうか?
テーブルの向かいの人と会話を交わす。
アファフ、と名乗った彼女は、ジブチに住むレバノン人の薬剤師だという。ほっそりとして上品な、マダム、という言葉が似合う女性だ。
娘が二人レバノンに住んでいて、ジブチでは夫と息子ともう 30 年も住んでいるそうだ。
子供たちはそれぞれ 20 代で、今は娘たちに会いに行ってきた帰りだという。
現地人、発見!
「ジブチでどこか行くとしたら、どこがいいですか?」
「lac assal はどう?lac は湖、assal は塩で、塩の上を歩けるの。温泉も湧いているわよ」
「へえ。その湖の名前は何でいうんですか?」
「lac assal ってみんな呼んでる」
ウユニ塩湖みたいなものか。ガイドブックやネットではアッサル湖と呼ばれている。
「あとは島とか?マスカリ maskali とか、ムシャ moucha とか、きれいな島がたくさんあるわよ。Sable blanc (白い砂)の砂浜もいいわね……。Le Goubet という旅行会社に聞いてみたら?」
そのあと、レバノンの話をしたり、家族の話をしたり。
「ジブチのローカルフードって何ですか?」
「うーん、そんなに特別なもの食べてないかなぁ。スパゲティをよく食べてるみたい。肉とか……魚とか……米とか……。あ、バギヤはどう?豆のペーストを揚げたものだけど。あと、炭火で焼いた魚はムクバザっていうわ」
美味しいレストランとして、ジャナタイン Jannateyn とカトクート Katkout を教えてもらった。
別れ際、アファフはマームール maamoul というお菓子をくれた。
レバノンのイースターのお菓子で、デーツが入っていたり、アーモンドが入っていたりすることがあるけれど、これはピスタチオ。
「私がピスタチオ、好きなの」
アファフはにこりと笑った。
ジブチまでのフライトは B737-700。エコノミーで横 6 列。
約一時間半のフライトの途中、ごく小さなハムサンドが配られた。具がハムだけのシンプルなもの。
空港に着くと、バスでプレハブに連れて行かれ、PCR 検査の列に並ばされる。航空券を渡すと乗客名簿と見比べて、番号を書かれる。次の係員にそのチケットを見せると、スピッツにその番号を書かれ、渡される。で、その横のスペースで口に綿棒を突っ込まれ、検体採取。
その後、クレジットカードで 30 ドル払い、預け荷物を受け取って、出口へ。
PCR の結果はもらわない。
外に出ると、むわっと暑い。
カンパラは最高気温が 27 度程度であったが、ジブチのそれは、38 度ほどである。
空港の出口で、現地事務所の人に拾われ、ホテルに向かった。
ウガンダの一人当たり GNI が 780 米ドル (2019) であるのに対して、ジブチは 3310 米ドル (2019) である。ちなみにマダガスカルは 480 米ドル (2020)、日本は約 4.2 万米ドル(2019 年)。
だから、今回の旅の中では、ジブチが一番豊かだと思っていた。紅海の入り口にあるこの国は、日本の自衛隊など各国の軍隊的組織が駐在しているため、外貨が落ちやすいと聞いていた。
だけど……。
町は古い建物が多く、道も必ずしも整備されてはいない。
何だか、思っていたのとは違うなぁ……。
ホテルは Atlantic Hotel。
ぱっと見、きれいに見えるのだけれど、トイレットペーパーホルダーやシャワーはさびており、シャワーのガラス戸は外れている。ついでに、トイレの電気は切れていて、コンセントは使えないし……。
一通り部屋をチェックして、トイレは流れるし、シャワーからぬるま湯が出るので、まぁいいか、と思った。
なお、水道水はしょっぱい。
荷物を置いたら、明日からの仕事の打ち合わせ。
今日は土曜なので休日だけれど、日曜はムスリムには一週間の始まりなのだ。
部屋に帰りがてら、ホテルのカフェで水が買えるというので、寄った。
「ビールはありますか?」
と聞いたら、「はァ?」というような、思いっきり呆れた顔をされたので、「お気になさらず……」と言って退散してきた。
夜はホテルのレストランでビーフステーキを食べた。特筆するほどではないが、思ったよりは美味しい。フードコートやレストランは全て閉店していた。
ここでも「ワインはありますか?」と聞いてしまい、再度「はァ?」を見る。
「私共の国はイスラム教でして……」
知ってる。知ってますよ。
でも、トルコとか、ウズベキスタンとか、お酒を飲むムスリムの国はたくさんあるし、ジブチ事務所の職員は「フランスのワインが飲めますよ!美味しいですよ!」って言ってたから……。
Restaurant@Atlantic Hotel:★★★☆☆(不味くはないけど、ジブチ飯というわけでもないし、推すほどでもない)
部屋に帰ると、どっと疲れが押し寄せてくる。
広いベッドは、プラスチックのベンチより寝やすいだろう。
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